英語力を上げるに当たって、避けては通れないのが英語の文法の習得です。
そもそも、英語の文法を学ぶことはなぜ大切なのでしょうか。
この記事では、英語の文法を学ぶことの重要性やおすすめの英語文法勉強法を紹介していくとともに、英語論文を英文添削会社に見てもらうのがおすすめである理由について解説していきます。
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近年、日本の英語教育ではコミュニケーション力がより重視され、中学校の英語教科書には実際の英会話で使われる慣用表現が例文として掲載されるようになりました。
英語が母語でない一般的な日本人の場合、慣用表現を使いこなすためには英語の文章構造を把握する必要があり、文章構造の理解を深めるためには、文法に関する知識が不可欠です。
グローバル化の進んだ現代で英語力を効率よく身につけるためにも、まずは文法の重要性をきちんと把握し、自身の学習スタイルに適した学びを得るようにしましょう。
英語が母語の場合は、特に文法を習わなくても、正しい英語を話して書くことが可能です。
ネイティブは生まれた瞬間から英語に囲まれて生活し、家庭内で英語のコミュニケーションを取り、学校でも英語を国語として学び、かつ他の教科も英語で学びます。
つまり、ネイティブは英語インプット量が多いだけでなく、生きていく上で必須のコミュニケーションツールとして、英語力を身に付けていくのです。
このため、英語の文法を習わなかったとしても、英語の大量のインプットを通じて言葉の規則性を自然と吸収します。
一方、英語圏ではない日本で暮らしている私達ノンネイティブは、英語のインプット量がネイティブに比べて圧倒的に劣っています。
英語の文法を勉強することは、日本人に不足しがちな「文型」(語順)をはじめとした文法知識を身に付け、正しい英語を話したり書いたりするために役立つのです。
英語の文法知識は、いわば英語力の土台です。
英語の文法を学んで英語という言語のルールを把握した上で英語を読んだり聞いたりしてインプットした方が、効果的な英語学習ができます。
また、英語のインプットやボキャブラリーの増強は長期的に継続して行う必要があるのに対し、英語の文法は数ヶ月から半年などの短期間で習得することも可能です。
英語は日本語とは大きく異なる言語なので、英語の文法を学ばずに英文を作ろうとすると、日本語に引きずられて間違った英文になりがちです。
たとえば、「今日はずっと雨が降っている」を英訳しようとすると、「~している」という日本語に引きずられて、
It is raining all day today.
と「現在進行形」を使ってしまうことがあります。
英語の文法を習得して、「過去の一点から現在まで続いている状態や動作」を表す「現在完了形」という時制を理解していれば、
It has been raining all day today.
と正しい英文を作ることができます。
「現在完了形」は日本語にない時制だからこそ、文法知識が役立つのです。
ネイティブ同士の会話では、英語の文法ルールに沿っていない慣用表現や、くだけた英語表現が使われることがよくあるため「英語の文法は勉強不要である」と言う意見を目にすることがあります。
ただ、フォーマルな英文ライティングについては、文法的に正しい英文で書くことが必須です。
実は、近年は英語圏でも英語の文法学習の重要性が再認識されており、正しい英語を書くためのルールとして文法教育を重視している小学校が増えてきています。
英語は日本語と大きく異なる言語であり、文型や各構成要素に置くことのできる単語の品詞などの文法知識を学ぶことが特に重要と言えるでしょう。
文型の各構成要素(S、V、OやC)に置くことができる単語の「品詞」は下の表のとおり。
主語を表すSには「名詞(代名詞)」、述語を表すVには「動詞」、目的語を表すOには「名詞(代名詞)」、補語を表すCには「名詞(代名詞)」か「形容詞」が置かれます。
【文型の各構成要素に置かれる単語の品詞】
文型の各構成要素 | 各構成要素に置かれる単語の品詞 |
---|---|
S(主語) | 名詞(代名詞) |
V(動詞) | 動詞 |
O(目的語) | 名詞(代名詞) |
C(補語) | 名詞(代名詞)あるいは形容詞 |
なお、文型の各構成要素には、英単語だけでなく句や節が置かれることもあります。
たとえば、SVOO文型を見てみましょう。
下の文の下線部は目的語(O)ですが、1つ目の文は”question”という名詞が、2つ目の文には”how she learned English”という名詞節が置かれています。
I asked her a question.
「私は彼女に質問をした。」
I asked her how she learned English.
「私は彼女にどうやって英語を学んだか聞いた。」
単語単位だけでなく、句や節をひと塊とした文型を意識することが、正しい英文を書くコツです。
なお、英文には、S、V、O、Cのいずれにも当てはまらないMという構成要素があります。
Mは「修飾語」で、”quickly”などの副詞や副詞節、”in the morning”などの前置詞句で構成され、文型に含まれないので省略しても意味が通じる部分です。
He ran fast.
「彼は速く走った。」
この文の“fast”は副詞で修飾語Mに当たり、省略しても文の意味が通じます。
この文の文型は第1文型SVになります。
この項では、おすすめの英語文法勉強をご紹介します。
以前は文法の勉強と言うと学校で先生から習うか、文法テキストを使って独学する勉強法がメインでしたが、最近は、ウェブサイト、アプリ・動画などを活用した勉強法もあります。
従来からある英語の文法勉強法は、英語の文法テキストを使う方法です。
テキストで文法を勉強する勉強法は、忘れた時すぐに参照しやすいというメリットがあります。
英語の文法を勉強し直すには、以前勉強した文法を思い出すことから始めるとよいでしょう。
英語の文法をすっかり忘れてしまっているという方は、くもん出版の「中学英文法 (スーパーステップ)」から始めるのがおすすめです。
中学生向きとはいえ基本的な文の組み立て方が順序立てて説明されており、時制などの説明も丁寧なので短期間で文法を一通りおさらいすることができます。
高校生向け・大学受験対策の文法テキストには、「総合英語 Evergreen(エバーグリーン)」があります。
エバーグリーンは、今は絶版となっている「総合英語 Forest(フォレスト)」の著者陣が監修する定番の文法書。
以前とは出版社が変わっていますが、フォレストの内容を引き継いでいます。
大学受験対策等で、フォレストを使って英文法を勉強したという方も多いのではないでしょうか。
以前使ったことのあるテキストならば、文法知識を効率良く思い出せます。
昔習った文法知識を一通り復習した後は、実践的な英語力を身につけるため英語で書かれた文法書で勉強するのがおすすめです。
従来の日本の英語教育においては、文法の習得に多くの時間が割かれています。
ただ、英語の文法知識が豊富にあっても、アウトプットの方法が自身の中で確立できていなければ、文法知識を英会話やライティングに活かすことはできません。
英語で書かれた文法書は体系的に英語を学ぶことができ、かつ例文にはネイティブが実際に使っている英語表現が使われているものが多いので、文法知識とアウトプット力を結び付けることができます。
英語で書かれた文法書の例として、以前から定評のある”Grammar in Use”という文法テキストのシリーズがあります。
このテキストには、まさにネイティブが普段使っている英語表現が満載されていますので、そのまま英会話やライティングに使うことができるでしょう。
また、文法事項に関するルールもわかりやすく説明されています。
たとえば、どんな時に現在完了を使ってどんな時に過去形を使うのかなどがイラスト付きで説明されているため、英語初級者が躓きやすい「時制」の使い分けがよく分かります。
このように、”Grammar in Use”は、文法知識を整理しながら「使える英語」を身につけることができる文法の定番テキストです。
インターネット上には、英語の文法を説明してくれているウェブサイトがたくさんあります。
重い本を持ち歩かなくても、スマホやタブレットがあれば出先で勉強することができるため、スキマ時間を活用して無駄のない学習をすることが可能です。
たとえば、イギリスの公的な国際交流機関であり英語学校も運営するブリティッシュ・カウンシルが運営する「Learn English Teens」というウェブサイトでは、各文法項目を、動画と文章で説明しています。
このサイトでは、掲載されている短い動画を通して、各文法知識をシチュエーションとともに学ぶことができます。
文法項目を簡単に説明したPDFファイルや問題のPDFファイルをページ下部でダウンロードすることもできるため、参考資料を集める上でも非常に価値の高いサイトといえるでしょう。
忙しくてもゲーム感覚でできる文法勉強が、アプリを活用した学習です。
問題を解いたら瞬時に自動採点されるため、スキマ時間に文法知識の確認をすることができます。
たとえば、前出のブリティッシュ・カウンシルが作った「LearnEnglish 英文法」というアプリは、自分のペースでできる「演習問題」で学んだ後、時間を測って行う「テスト」セクションで理解度を確認できます。
問題文も英語で書かれているので、中級レベル以上の英語学習者におすすめといえるでしょう。
「演習問題」と「テスト」セクションはそれぞれ、「初級」2つ、「準中級」3つ、「中級」2つ、「上級」2つの計9つのグループに分かれており、合計1000を超える練習問題が収録されています。
選択肢問題や穴埋め問題を含む様々な種類の問題があるため、対応力に優れた英語力を身につけることが可能です。
動画を活用して英語の文法を学ぶ勉強法は、生きた英語に触れられるというメリットがあります。
ネイティブがシチュエーション別に説明している動画には分かりやすい内容のモノが多く、なおかつ動画を見ているだけで英語のインプットに役立てることができます。
YouTubeで”English Grammar”などと入力して検索すると、ネイティブが英語で文法を説明する動画がたくさん出てきます。
文法項目ごとに動画を作成しているチャンネルもあり、自分が苦手とする文法項目を選んで視聴することも可能なため、英語学習にもってこいといえるでしょう。
イギリス英語で学びたい場合はイギリスの方が作った動画を、アメリカ英語で学びたい場合はアメリカの方が作った動画を探すようにすると効果的な学習ができます。
出身国は動画作成者のプロフィールに記載されていることが多いので、目を通してみてください。
イギリス英語とアメリカ英語で文法自体に大きな差はありませんが、「私は・・・を持っている。」をイギリス英語では”I have got …”と言い、アメリカでは”I have …”と言うなどの細かい違いがあります。
他の勉強法にも言えることですが、動画で英語の文法を学ぶ場合も、ある程度続けることが大切です。
自分が気に入った動画のチャンネルを登録して、スキマ時間などに視聴しましょう。
ここまで、英語の文法の勉強法について解説してきました。
以下では、より具体的に、どのような手順で英語の文法を学んでいけばよいかを説明していきます。
上述した様に、英語の文法を勉強するための教材には、テキスト、ウェブサイト、アプリ、動画など様々なものがあります。
いくつかの選択肢の中からメインの教材を一つ決めて、他の教材を補完的に活用しながら勉強を進めるとよいでしょう。
英語の文法を一通り習得した後も、英文を書く時などに参照することがあるため、メインとする教材は後で参照しやすい「本」がおすすめ。
本であれば、知りたい文法項目を索引から引くことができますし、参照した文法項目にマーカーで印をつけるなどすることで、学習の痕跡を残せます。
英語の文法テキストを読む場合は、何度か繰り返し読んで知識をインプットしましょう。
その際、1回目に読む時はなるべく短期間で、ざっと全体を読むことをおすすめします。
英語の文法は項目ごとにそれぞれが関連し合っているため、文法全体の知識を得てからでないと、深く理解できないケースがあるのです。
たとえば前述したとおり、「文型」の各構成要素(S,V,O,C)に置くことのできる単語等の「品詞」は決まっています。
各品詞についての十分な知識がないと、英語の文型を深く理解することはできません。
2回目以降に読む時は関連し合う項目を必要に応じて振り返りながら、じっくり読んでみましょう。
自分が分かりにくいと感じる部分をノートにまとめておくと復習がしやすくなります。
英語の文法は、読んで理解しただけでは定着しません。
文法の単元ごと、たとえば「時制」の部分を読んだら、すぐに「時制」の練習問題を解くという勉強法がおすすめです。
文法テキストに含まれている確認問題や、同じシリーズの別冊問題集なども活用しましょう。
英語の文法が知識として定着したら、その知識をスピーキングやライティングなどの実践で使える形にすることが大切。
そのためには、文法テキスト等の例文をオリジナルの例文にアレンジする勉強法がおすすめです。
例文を、実際に自分が使いそうな英文に変えることで、アウトプットに備えることができます。
たとえば、現在完了形の項目で以下の2つの例文があったとしましょう。
I’ve been to America.
「私はアメリカに行ったことがあります。」
I’ve never been to Australia.
「私はオーストラリアに行ったことがありません。」
これらの例文を自分が行ったことのある国(イギリス)と行ったことのない国(アメリカ)に代えて、
I’ve been to the UK.
「私はイギリスに行ったことがあります。」
I’ve never been to America.
「私はアメリカに行ったことがありません。」
などの例文を作ります。
この例文は自分のことについての文ですから、実感しやすいですし、実際にスピーキングなどで使えます。
自分が第三者に英語を話している場面を想像しながら例文を作ると、よりリアリティのある例文が作成可能です。
最後に、自分が作成したオリジナル例文を音読します。
英作文しただけでは、必要な時にすぐに口から出てこないといったことが起こりがち。
繰り返し口にすることで、その英文を自分のモノにすることができ、会話の場面で自然に出てきやすくなります。
英文ライティングには様々なルールがあり、一般的な文法知識だけでは足りないことがあります。
上述した勉強法を通じて基本的な文法知識を身に付けたら、より実践的なライティングに必要な文法知識を補完していきましょう。
英文ライティングのノウハウが書かれた本には、ライティングに必要となる文法項目が詳細に説明されています。
たとえば、前置詞や冠詞の使い方など、一般的な文法書では簡単な説明のみで十分な例示がない文法項目について、具体例とともにより詳しく説明されています。
ライティングに重要な文法項目にはたとえば、
などがあり、ライティングに特化した文法テキストでは、これらの項目を詳細に学ぶことができます。
英文ライティングの古典的なテキストとしてたとえば、”The Chicago Manual of Style”(翻訳版は「シカゴ・スタイル」)があります。
品詞が異なる単語、たとえば”affect”(主に動詞として使われる)と”effect”(主に名詞として使われる)の使い分けなども、詳しく載っています。
また、医学分野や経済分野などの専門分野に特化したライティングの本も複数出版されているので、英文ライティングのバイブルとして常に参照できるような一冊を探してみてはいかがでしょうか。
ライティング力アップに最も即効性のある英語の文法勉強法は、「よい英文を真似すること」です。
たとえば、自分の専門分野の英文でよく参照されている本や論文は、ライティングの教材としても活用できます。
その本や論文ではどんな構文が使われているか、どんなシチュエーションでどの時制が用いられているかを参考にして書いてみることでライティング力がアップします。
自分で書いた英文を添削アプリでチェックするのも、ライティングに必要な文法力を身につける上で効果的です。
英文を書く時には正確な文法の知識が必要とされますが、ライティング力アップにはとにかく書いてみること、また書いた英文を添削してもらって間違いから学ぶことも欠かせません。
今は無料で利用できる添削アプリが豊富にあります。
添削アプリを使うと、文法的に間違っている部分が瞬時に修正されます。
英語学習者が自分の英語の間違いを自分で判断するのは難しいので、便利な添削アプリを活用してみてはいかがでしょうか。
ここまで英語の文法を学ぶ重要性と勉強法をお伝えしてきました。
英文を書くに当たっては、文法的に正しい英文を書くことが必須なので、ご紹介した勉強法を参考に英語の文法を短期間で集中的に習得してしまいましょう。
なお、英語論文を書く場合は、文法の知識が身に付いた後でも、投稿前に英文添削会社に見てもらうのがおすすめです。
英語論文は正確な英語で書くことはもちろんですが、専門分野ごとに書き方のルールや、投稿予定のジャーナルの投稿規定にしたがって書く必要があります。
専門分野に強い英文添削会社に依頼すれば、専門分野に詳しい校正者が論文の内容を踏まえて校正をしてくれます。
また、その分野で標準的とされる書き方になっているか、投稿規定に沿って書かれているかをチェックしてもらうことも可能です。
英語論文の添削なら、科学分野や医学分野に精通した専門家が多く在籍するエダンズがおすすめです。
エダンズでは、厳しい基準で選定された博士号保有者や論文の添削経験が豊富な専門家が、ネイティブの品質管理専門家とチームを組んで、校正を担当します。
エダンズの論文校正は、文法的な誤りを訂正するのはもちろんのこと、より適切な科学的表現を提示し、研究の重要な部分を明確にします。
また、校正サービスには、ジャーナルの投稿規定に沿っているかの確認も含まれている上、再校正付きなので1回目の校正で著者と校正者が不明な点をすり合わせすることもできます。
英語ノンネイティブの日本人にとって、英語の文法知識は英語力を高めるのに欠かせません。
特に、英文ライティングでは、文法的に正しい英語で書く必要があります。
英語の文法は学生時代に勉強したけれど忘れてしまっている場合は、文法を学び直すことが大切です。
この記事では、英語の文法の勉強法として従来どおりテキストを使って勉強するだけでなく、アプリや動画などを活用した勉強法もご紹介しました。
便利なツールを活用して文法知識を身につけ、ライティング力を磨きましょう。
英語論文を書く場合は、英文添削会社に見てもらうこともおすすめします。
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